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はじめに
- はじめまして。
私たちは、川越で60年にわたり養豚業を営んでいる有限会社大野農場と申します。
弊社が約40年の歳月をかけて生み出した『小江戸黒豚』は、多くの方にご愛顧いただき、メディアにも多数取り上げていただいております。 -
- そんな弊社は、新たな挑戦として約8年前からチョウザメの養殖を行っております。
ゆっくりと時間をかけて卵を持つ大きさにまで成長し、ようやく、川越で初となる国産キャビア『小江戸CAVIAR』が誕生しました。
このキャビアを多くの方に知っていただきたく、ご賞味いただきたく、クラウドファンディングでお届けすることにしました。 -
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養豚農家がなぜキャビア?
- 『小江戸黒豚』がご好評をいただいている中で、これに次ぐ第二のブランドを生み出そうと動き出したのが、今から約10年前でした。
- 養豚業をここまで確立できたのは、地域の方々からのご理解と応援のおかげであり、これからも川越とともに歩んでいきたい—。
これまでにない食材に挑戦することで、川越グルメの価値を高め、川越に人を呼び、地域に貢献したい—。
そんな考えの中で模索し、目を付けたのが「キャビア」でした。
国産キャビアはまだまだ珍しい存在ですが、生産者が少ない一番の理由は、商品化まで長い時間を要することです。
チョウザメの養殖を始めてからキャビア(卵)がとれるまでに最短でも7年かかるのですが、これが事業化のハードルとなっています。
しかし私たちは、これまでにも長い時間をかけて自社のブランド豚を育て上げてきました。そして365日休むことなく生き物と向き合い、大切に育てることの難しさも知っています。
この粘り強さとノウハウこそが私たちの強みであり、キャビアづくりにも活かせると考えたのでした。 -
国産キャビアの魅力
- ご存じの方も多いと思いますが、キャビアとはチョウザメの卵を塩漬けにした食べ物で、フォアグラ、トリュフと並んで三大珍味とされている高級食材です。
カスピ海が主な産地であり「ロシアの食材」のイメージが強いですが、近年は日本でもチョウザメの養殖が進んできており、「国産キャビア」が注目されています。
そんな国産キャビアの特徴は、新鮮なまま食べられること。
海外からの輸入品のほとんどは、保存性を高めるために低温加熱による殺菌処理と高濃度(7~10%)での塩分処理が施されています。
加熱処理をするとキャビアはプチプチした食感になります。
また、そのまま食べるには塩辛いため、塩分を活かした料理のアクセントとして用いられることが多いと思います。 -
- 一方で国産のキャビアは、非加熱・少量の塩分で生産が可能です。
賞味期限が短い代わりに、加熱処理をしないことによってトロっとなめらかな舌触りとなり、フレッシュな味わいが楽しめます。
塩分控えめなので、そのまま食べても美味しいのも特徴です。キャビア本来の味をダイレクトに楽しむことができます。("いくら"に近いイメージで食べることができます。)
この国産ならではのキャビアの美味しさをお届けしたい想いで、チョウザメの養殖に挑戦しています。 -
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小江戸CAVIAR
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粒のサイズ
- キャビアの世界では、粒が大きいものほど高級品と評されます。
弊社が養殖している「ベステル」という品種のチョウザメは、2.6~2.8mm前後が平均的な卵の大きさと言われておりますが、『小江戸CAVIAR』は3mm以上のサイズに育っています。
1粒1粒から食感と味わいを感じられる、満足度の高いキャビアに仕上がりました。 -
美味しい食べ方
- 『小江戸CAVIAR』は、3%の低濃度で塩漬けし、保存料等の添加物を使用せず、急速冷凍で製品化しています。
一番美味しい食べ方は、冷やして専用のシェルスプーンでそのまま食べること。
キャビアはとても繊細な食べ物です。コーティングされていない金属のスプーンで掬うと、金属臭が移ってしまい風味が損なわれることがあります。
キャビア本来の味を楽しんでいただくため、貝殻を削り出して作られた専用のスプーンをお付けしてお届けいたします。 - スプーンでそのまま口に入れた時の香りと、舌と上顎でつぶした時の食感。飲み込んだ後の余韻、そして、シャンパンや白ワインで流し込む贅沢感―。
一瞬にして幸せになれる素敵な食べ物です。
(お好みによっては、日本酒と合わせても美味しいですよ。) -
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白っぽいキャビア?
- 時折、お客様や関係者の方から「このキャビア、少し白っぽくないですか?」と聞かれることがあります。
「キャビアの色は真っ黒」というイメージが一般的なためかと思いますが、特別、弊社のチョウザメが白い卵をもっているわけではありません。
ヒントは、鮮度です。
実はキャビアは、新しいものほど白っぽい色をしています。
時間が経つにつれて、だんだんと黒みが増していくのです。
つまり白っぽく見えるのは、それだけ新鮮な証拠。
これも国産だからこその特徴かもしれません。 -
キャビアがとれるまで
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大野農場での養殖環境
- 8年前、川越の敷地に並ぶ豚舎のうち1棟に巨大水槽を導入し、チョウザメの養殖をスタートしました。
魚を育てるのに大事なのは、やはり「水」。
弊社が農場を構えるこの田園地帯には、人が飲めるほどきれいな、秩父の山々からの伏流水が流れています。
それを地下100メートルから汲み上げ、チョウザメの水槽に流し入れています。
(弊社では、黒豚の飲み水にもこの地下水を使っています。)
水槽や水の循環装置は、ほとんど手作り。
徹底した水質管理により、チョウザメたちはきれいで快適な水の中をゆったりと泳ぎ、だんだんと成長していきます。 -
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1,000匹から僅か数十匹
- 本来は生命力の強いチョウザメですが、人工飼育の環境下では生存率が高くありません。
現在、弊社では毎年1,000匹の稚魚を買い取って育てていますが、1年が経つ頃には300匹前後に減ってしまいます。
3~4年目にはさらに減って100~200匹になってしまいますが、ここでようやく雌雄の判別ができるようになります。およそ7割が雄で、3割が雌です。
当然、キャビア(卵)もつようになるのは雌のみ。
雄のチョウザメは、農場直営のレストラン「小江戸黒豚 鉄板懐石 オオノ」で、刺身やフライにしてご提供しています。 -
- 生き残った雌を、じっくり丁寧に、大切に育てていきます。
こうして約8年のゆっくりとした年月をかけ、ようやく卵をもつ大きさにまで成長した数十匹の雌から、キャビアをとることができるのです。
これが、キャビアが高級食材であるひとつの理由です。 -
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最後に
- チョウザメの養殖を決意してから苦節8年―。
ようやくキャビアの商品化にたどり着き、こうして皆さまにお届けできることを大変嬉しく思います。
今後とも、極上の国産キャビアを目指してさらなる美味しさを追求して参りますので、皆さまからのご支援をよろしくお願い申し上げます。