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はじめに
- はじめまして、埼玉県志木市で酒屋を営んでいる有限会社大坂屋本店 5代目の飯田彰太と申します。この度はプロジェクトページをご覧いただきありがとうございます。
- 志木市は、豊かな水源と水運で栄えた商業の町であり、柳瀬川、新河岸川、荒川の三つの川が流れ、水とともに歴史を刻んできました。江戸が栄えていた頃は、河岸場があったこともあり、江戸に大量のお酒を出荷することができ、多くの酒蔵が立ち並んでいました。
しかし、今ではその姿を目にすることはありません。
1870年からこの地で商いを始めた大坂屋本店は、創業150年を迎えるにあたり、この土地で再び四季折々に楽しめるお酒を造りたいと考えてきました。志木への想いが織り重なって紡がれるお酒です。『志木織々』はそうした想いから誕生しました。 -
- 私は志木生まれの志木育ちですが、社会人になって10年ほど都内で暮らしていました。2017年に、父の病気がキッカケで家業を継ぐ決断をしました。志木を離れていて、初めて志木の良さに気がつきました。志木は都心に近いにも関わらず、自然も多く、治安もよい、結果的に子育て世代には、とても住みやすい市だと思います。
一方で、志木の名産品はなんでしょうか? 埼玉には、深谷ネギ、草加せんべい、小江戸ビールなどの県を代表する名産品は存在しているのですが、志木には同等の知名度の名産品がない現状です。
そんな現状を打破すべく、『志木織々』をつくりました。
『志木織々』が志木の賑わいづくりへ寄与することを願っています。 -
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商品開発に至るまで
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背景
- 我々が日本酒造りを実施した背景には、いつも大坂屋本店にお酒を買いに来てくださる常連の皆さまの想いがありました。かねてより常連の皆さまから「志木のお酒を県外の親戚や友人に持っていきたいんだけど、何かある?」と聞かれることが多々ありました。また、大坂屋本店としても創業150年を迎えるにあたり「150年にわたって支えてくれた地元志木へ恩返しができないか」「恩返しをするにあたって自社の強みは何か」を改めて考えていました。
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試みと苦戦
- 大坂屋本店の強みは厳選されたお酒であり、特にワインに注力していることだと感じました。「志木のもの」にこだわって作ったワインならば志木に恩返しができると考え、ワインの製造を計画。しかしながら、改めて志木のことを調べたところ、なかなか納得のいくワインができる材料がありませんでした。
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ともにする酒蔵との出会い
- 納得のいくワインができないことに頭を抱えていた頃、思わぬ出会いが後に「志木織々」をうみだすことになりました。
それは飯能市に酒蔵をかまえる「五十嵐酒造様」が造った日本酒との出会い。
自分たちが酒屋ということもあり、埼玉のいろんなお酒を目にしますが、飲んだ瞬間に「これだ」と感じ、次の日にはアポイントを取っていました。 -
いざ日本酒造りへ
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- 五十嵐酒造様は、天覧山の清澄な空気を活かして酒造りを行っています。
初代久蔵は、新潟県中頸城郡の出身で杜氏(とうじ:酒蔵における酒造りの責任者)として青梅の「澤乃井」小沢酒造につとめていましたが、独立して飯能の地で酒造りを始めました。
五十嵐酒造の銘酒『天覧山』を醸造している酒蔵は、名栗川と成木川の合流点に接して建っています。空気は澄みわたり、きれいでやさしい奥秩父からの、伏流水を井戸から汲み上げています。飯能の素晴らしい「緑と清流」の大自然を最大限に活かし、軽くてキレの良い銘酒『天覧山』を醸造しています。 -
水とともに刻んできた歴史をもう一度
- 日本酒は「米」と「水」と「麹」を使用しています。
絶対に「水」だけは志木の水を使いたい、と考えました。
それは志木は豊かな水源と水運で栄えた町であり、これまで先人たちが刻んできた酒造りの町の歴史をもう一度復活させたいという気持ちが一番の理由です。
五十嵐酒造様に志木の水を使用したいと相談したところ、今まで一度もそんなことをしたことがないと、明確な回答を得られませんでした。
また、志木の水を使用するには、志木市との調整が必要であることがわかりました。そこで市役所に「志木の深井戸水を使わせてくれないか」とダメもとで直談判した結果、想像とは裏腹に、ありがたいことに使用許可を頂くことに。 - 志木市の許可がでたことを伝えにいったところ、「そこまで酒造りに熱意をもってくれるなら是非挑戦してみましょう!」とのことでプロジェクトが大きく動き出しました。
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とことん志木産に!!
- 「せっかくだからお米も志木産を使いましょう」と五十嵐社長からの一言で、志木産のコシヒカリを使用することに。農協様にも協力を仰ぎ、志木で穫れたお米を使用する運びになりました。
こうして「水」「米」「麹」すべてが志木産の日本酒が誕生することになりました。
それが「志木織々」です。 -
志木にこだわった『志木織々』
- 口に含むと、深井戸水由来のまろやかさと、お米由来の優しい甘みを感じることができる旨口です。
また、酵母は、協会10号酵母と埼玉G酵母を使用し、華やかな味わいになりました。
普段、日本酒を飲まれない方や、ワインがお好きな方へおすすめしたい日本酒です。
※深井戸水とは一般的に、地表から30メートル以上掘削した井戸から汲み上げられる水です。多くの地層を通過して濾過されるため、ミネラルバランスが良く、酒の味わいを深めます。 -
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ラベルに関して
- 志木市在住のデザイナー 俵周作氏に依頼しました。
デザインは志木を表す3つの川が織りあって未来へと流れる様子を表したものです。
純米酒 無濾過生原酒は、アルコール度数が一番高いため、力強い川を。
純米酒 生酒は、濾過した上で、水を加えているため、少し落ち着きを。
純米酒は、火入れ(殺菌)をしているため、まっすぐな川をデザイン。 -
- 今回のクラウドファンディングを通じて、ぜひこの『志木織々』を多くの皆さまにお試しいただければと思います。なお、『志木織々』は純米 無濾過生原酒、純米 生酒、純米 火入れの3種類あります。お酒自体は全て同じになりますが、ボトリングのタイミングだけが違う商品となります。全て味に違いがありますので、ぜひ飲み比べをお楽しみください。
・無濾過生原酒→搾りたてをそのままボトリング
・生酒→無濾過生原酒に水を加えてろ過した上でボトリング
・火入れ→生酒を火入れ(殺菌)した上でボトリング
無濾過生原酒と、生酒は、菌が生きているため、冷蔵保存が必要となり、日々が味が変化してきます。火入れは、殺菌しているので、常温保存が可能となり、味は変化しません。 -
商品の紹介
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志木織々 純米酒 無濾過生原酒
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- 「無濾過生原酒」は、しぼりたてをそのままボトリングしたお酒です。志木織々は、お米由来の甘さとまた、深井戸水からのまろやかさに加えて原酒(アルコール度数17度)ならではの力強さを味わうことができます。(要冷蔵)
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志木織々 純米酒 生酒
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- 無濾過生原酒に、水を加えて、ろ過しているのが、今回の生酒となります。
「生酒」は日本酒の製造工程で通常行われる「火入れ」を一切行っていないお酒です。
生酒のため、フレッシュさがあります。水を加えて飲みやすくなっているため、白ワインのようなフルーティーさと華やかさが楽しめます。(要冷蔵) -
志木織々 純米酒
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- 生酒に火入れ(殺菌)をした商品になります。生酒と比べると、良い意味で日本酒らしさがあり、若干のアルコール感もあり、すっきりニュートラルな味わいとなりました。飲み飽きしない食中酒です。(常温可能)
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大坂屋本店について
- 最後となりますが、弊社についてもお伝えしたいと思います。
「大阪屋本店」は、志木で150年以上続く酒屋で、現在は小売りと卸売りの両方を手がけています。
『志木織々』をはじめ、一般のお店ではあまり流通していない珍しいお酒を中心に、スタッフが試飲をした上で、自信を持っておすすめできるお酒を種類豊富に取り揃えております。お気に入りの1本を探しに、是非お気軽にご来店ください。 -
大坂屋本店のあゆみ
- 初代 飯田 文太夫
1870年2月現在の地にて大坂屋を創業。
2代目 飯田 吉次郎
初代から事業を引き継ぎ、地域に根差した酒屋としてさらに発展させる。 -
- 昭和25年頃の店舗外観の写真と当時の店舗内の様子です。
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3代目 飯田 幸一
1955年10月有限会社大坂屋本店として法人化し、事業を拡大。
・大坂屋駅前店
・大坂屋山本店
・大坂屋やなせ酒店
・大坂屋ビアブティック
・大坂屋飯田酒店
・大坂屋関野酒店
1989年3月、大坂屋本店を大規模リニューアルオープン(現在の家屋が完成)。
4代目 飯田 富夫
事業のスリム化にともない他店舗をすべて分社化。
現在の「大坂屋本店」の1店舗のみを運営。
1999年よりワインにシフト(ボジョレーヌーボーの取り扱いをスタート)。
5代目 飯田 彰太(現代表)
2018年12月、約30年ぶりにリニューアルオープン(内装リニューアル)。 -
- 現在の店舗外観と店舗内の様子です。
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応援コメント
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本プロジェクトを実施するにあたり、『志木織々』の制作に携わった五十嵐酒造様と俵様から頂いたメッセージをご紹介いたします! -
五十嵐酒造様
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- 志木の水と米でつくる、志木発の日本酒プロジェクト
大坂屋本店に営業に伺った際、「志木の水で日本酒を造れないだろうか?」というお話をいただいたのが、このプロジェクトの始まりでした。
当初、五十嵐酒造では他所から水を持ち込んで製造した実績がなく、はっきりとしたお返事ができずにいたのですが、後日なんと「志木市長から、志木の井戸水を使っても良いという許可が出た」との連絡をいただき、プロジェクトが一気に本格始動!
何よりも、飯田社長の行動力と「言ったことは必ず実行する」という熱い思いが周囲を巻き込み、大きな輪となって広がっていきました。その情熱に打たれ、私たち五十嵐酒造も本格的に動き出すことに。
ただ「水」だけではインパクトが足りないということで、「志木産の米」を探し出すことに。さらに水道局の方々にはご協力いただき、市水や県水が混じらないよう、あらゆる栓を閉めていただき、純粋な志木の井戸水の採取にも成功。まさに“神対応”でした。
こうして「志木の水と米」で醸し出された日本酒は、「志木織々(しきおりおり)」をもっと身近に感じていただけるよう、地元の手で生み出した特別な一本となりました。
地域の思いと情熱が詰まったこのお酒を、ぜひ一度味わってみてください。 -
デザイナー 俵周作様
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- 創業150年の大坂屋本店の飯田彰太さんから声をかけられた昨夏。地元、埼玉県志木市の水とお米をつかった日本酒を作るので、ぜひ協力して欲しいとのこと。
聞けば、ずっとこの街のためにこの街が誇れる何かを作りたいと考えていたそうで、この『志木織々』は「地元の人たちに四季折々楽しんで愛される、地元産にこだわったものにしたい」と熱く語ってくれたのを覚えています。
時々、「本当にうまくできるのか、不安でいっぱいなんですよ」といいながらも、周囲を巻き込み、切り開き、気がつけば次々と大きな動きを作っていったのは、飯田さんの熱い情熱あってのもの。一連のデザインもまさに飯田さんの想いなくてはできなかったものだと思っています。
志木織々はその名の通り飯田さんの熱い想いが折り重なった日本酒です。
これから先もっともっとたくさんの人に飲んで愛される日本酒に、そして志木市にとどまらず全国に名を轟かせる日本酒になってくれることを願っています。 -
さいごに
- 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
現在、『志木織々』の酒かすを使用した「チーズケーキ」や「あんぱん」もご協力を頂き作成いただきました。
今後、『志木織々』を皮切りに志木の名物をたくさん生み出していきたいと考えています。
引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。