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都心から30分、荒川堤外地に残された1200年の歴史ある里山「塚本郷」
- さいたま市の西の端、荒川堤外地(堤防の河川側)に広がる、塚本地区。
都心から、わずか22kmほどの場所に、荒川中流域の「農の原風景」が今も残されています。
田んぼ、水路、ハンノキ林、竹林。
そこには、昔からこの土地で暮らしてきた人々の営みと、それによって育まれてきた豊かな自然があります。
ここ、塚本郷は、さいたま市に残された最後の里山の一つです。 -
- 荒川や入間川の氾濫原であるこの地域には、川が運んだ土が積もった微地形をうまく活かして田んぼが配置され、水路から田んぼ、田んぼから田んぼへと水が流れていきます。
地区内には古い河川跡や、雑木林、かつて人が住んでいた頃に土を盛って家を建て屋敷林がそれを囲んでいた「水塚(みづか)」の跡などもあります。
また、市の指定文化財に登録されているマキの木がある薬師堂や、小さな神社なども残り、集落としての面影を残しています。
こうした環境だからこそ、今もたくさんの生きものたちが息づいています。
田んぼと雑木林などが連続してつづく場所にしか生息しないニホンアカガエルや、春に地面を埋め尽くすノウルシ、田んぼではメダカやドジョウ、ナマズやフナも泳ぎ、田んぼのイネの穂先にはカヤネズミが巣を作り、道ばたや畦にはオグルマ、湿地にはハンゲショウなど、かつては当たり前のようにいたものの、今では絶滅危機にあるとしてレッドリストにも記載されているような様々な生きものたちが、今も多く生息しています。
これは「1200年続く歴史・自然・文化を未来へ残すプロジェクト」です。 -
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塚本南部揚水組合とは
- 塚本郷では、元々は荒川から「水車(みずぐるま)」と呼ばれる足踏み式の水車を使って水をくみ上げ、広大な田んぼに水を行き渡らせていました。
しかし戦後、埼玉県南地域に水道を供給するための秋ヶ瀬取水堰や大久保浄水場などが整備されるのに合わせて、井戸を掘って水をくみ上げる方式に変わりました。
その時に設立されたのが、塚本南部揚水組合です。
塚本南部揚水組合は、昭和42年設立の耕作者による組合です。
ポンプや水路などを共同で管理する、いわば耕作者の横の繋がりのある団体として存続してきました。
当初は30名ほどいた耕作者も、今では10名に。
それでも、この10名で、今も塚本郷南部の田んぼを守り続けています。
「先祖伝来のこの田んぼを、自分たちの代で終わらせたくない」
「この風景を、無くしたくない」
こうした思いで、今も耕作を続けています。 -
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少なくとも1200年以上続けられてきた稲作
- 塚本郷では、奈良時代の条理遺構が確認されており、少なくとも1200年以上前から稲作が行われてきたことが確認されています。
地域には古墳も点在しており、それ以前の時代から稲作が行われてきたことが示唆されています。
大昔には荒川や旧入間川が蛇行と氾濫を繰り返してきた広大な氾濫原を利用し、1200年以上も耕作が続けられてきた、貴重な地域です。
1200年という悠久の時は、誰か一人の力で紡がれてきたものではありません。
その時代時代に、人々が土地を耕し、水を巡らせ、様々な工夫を続けて、次の世代へと受け継いできました。
こうして現代に至るまで多くの世代が努力を重ねられたことで、今、私たちはこの風景を見ることができています。 -
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「堤外地」という、特殊な事情
- 塚本郷は、荒川の堤外地にあります。
河川用語では、堤防などにより構図から守られているエリア、つまり住宅や街のある側を「堤内地」、堤防に挟まれた河川区域を「堤外地」といいます。
大雨が降った場合、東京や埼玉の街を守るために、堤外地には水が湛えられます。一般的な田んぼに比べて、冠水のリスクが高い土地です。 -
東京や埼玉を水害から守ってきた
- 塚本郷が「堤外地」となったのは、大正~昭和初期にかけて実施された、荒川の大規模な河川改修のときです。
明治43年の大洪水をきっかけに、政府は荒川の大改修を始め、赤羽岩淵から先に荒川放水路という広大な新しい水路を掘りました。
しかし、それだけでは容量が足らず、流域から集まる水を海に流すことができないため、埼玉に着目しました。
埼玉で堤防から堤防までの幅(=川幅)の広いエリアを取り、更に流れを緩めるための「横堤」をつくり、一気に東京に水が流れるのではなく、時間差で水が流れるような構造としました。
このような構造の河川は、全国でも類を見ません。
その結果、鴻巣市では日本一川幅が広い2.5km、塚本郷の付近でも1.2kmの川幅があります。
一方、地域の住民にしてみれば、自分の家や田んぼが、突然、堤外地になってしまったといえます。
現在でも、荒川の河川区域内の民有地率は全国一高く、堤外地に田んぼが今もあるのは、このような事情に由来します。 -
なぜか「美味しい」堤外地のお米
- 田んぼが堤外地にあることは、農家にとっては、とても大きなリスクです。
一方で、恩恵らしきものもあります。
塚本郷のお米は、なぜか「とても美味しい」と評判です。
事実、お米のおいしさを図る指標「食味値」を測ると、とても美味しい基準である「90」という数値をコンスタントにたたき出します。
理由はまだ分かっていません。
数年に一度、水を被ることにより、上流から肥沃な土が流れてくること、なども、理由の一つとして考えられています。 -
塚本郷に迫る3つの危機
- 一方で、塚本郷が置かれている現状には、大変厳しいものがあります。
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担い手の高齢化
- まず、耕作者の高齢化。
南部用水組合の耕作者のうち、大多数が70歳以上です。
これまでも、高齢による体調不良などで突然離脱を余儀なくされることが発生していますが、その都度、残った耕作者で何とかやりくりをして、できる限り耕作放棄地を増やさない努力を続けてきました。
しかし、それも限界に近づいています。 -
農業を支える施設の老朽化
- 次に、施設の老朽化。
南部用水組合の命綱であるポンプは、設置から一度も交換したことがなく、いつ止まってもおかしくない状況にあります。 -
次の世代を担う人がいない
- そして、最大の課題が、後継者不足です。
塚本郷の田んぼは、一つ一つが小さく、様々な形をしているため、手作業によるところが多く、手間がかかります。
一方で、歴史ある地域で作られたお米が、高額で販売されることはありません。
このことから、後継者として手を挙げる次世代がほとんどいないのが現状です。
現在の耕作者の年齢を考えれば、あと10年で稲作は消滅の危機にあります。 -
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塚本郷を未来に繋ぐために、今できること
- 今回のクラウドファンディングで集まったご支援は、大きく2つのことに活用します。
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一つ目は、1200年以上続く稲作を支える「ポンプの交換」
- 水田耕作を行うには、水が不可欠です。
もし、稲作のシーズン途中にポンプが停止してしまった場合、水をいきわたらせることができなくなり、タイミングによってはその年の収穫をあきらめなければならなくなります。
そうなれば、耕作をあきらめて離農してしまう人も多く出てしまいます。
稲作を行うための「基盤」として必要不可欠な、ポンプの交換を行います。
ポンプ交換には、300万円以上の高額な費用がかかりますが、2年前から準備を進め、さいたま市からの補助金を受けることが決定しています。
また、耕作者のみならず、地権者の皆さんからもご協力をいただくことが決まっています。
それでも、高額な費用の一部が足りないため、今回のクラウドファンディングの費用をこれに充てさせていただき、稲作を未来に繋ぐための「基盤づくり」を進めます。
ただ、ポンプを交換すれば、塚本郷の全ての課題が解決するわけではありません。
しかし、1200年以上続いてきたこの営みを未来に繋ぐためには、まず今ある田んぼを守り、次の一歩を踏み出す必要があります。 -
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二つ目は、塚本郷という里山の価値を知ってもらい、未来に繋ぐための取り組み
- さいたま市では、貴重な里山環境として「見沼田んぼ」が有名ですが、塚本郷はまだまだ人々に知られていません。
まず大切なことは、塚本郷を知ってもらうこと、と考えます。
どれほど貴重な場所でも、知られていなければ、未来に繋ぐことはできません。
・塚本郷に生息する生きものや自然環境の調査・発信
・生物多様性認証サイトへの登録
・1200年以上続く農の歴史の発信
・荒川の堤外地として地域を守ってきた歴史の発信
・現在の塚本郷での農の営み
・塚本郷を実際に訪れ、知ってもらう機会づくり
などを通じて、「塚本郷を知っている人」「好きになってくれる人」「応援してくれる人」、そして「塚本郷を自分事として捉え行動する人」を増やしていきたいと考えています。 -
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リターンについて
- 今回のクラウドファンディングでは、まず塚本郷を知っていただき、その魅力を感じていただけるものをリターンとしてご用意いたしました。
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未来応援
- 塚本郷を未来につなげることに共感し、応援してくださる方へ。
お礼のメッセージと、塚本郷の四季や自然の魅力を切り取った写真データをお届けします。
あなたの応援が、この風景を未来へ繋ぐ一歩になります。 -
なぜか「とても美味しい」お米
- 塚本郷産のコシヒカリ。
塚本郷のお米は、ほかの地域の農家さんが「あそこのお米、うめえんだよな!」と言うほどおいしいと、誰もが口にします。
お米のおいしさは「食味値」という数値で計測できますが、どのお米も「とてもおいしい」レベルの「90」が出るほど。
理由はまだわかっていませんが、ときおり水が被ることで上流から肥沃な土壌が運ばれてくることや、地下水、この土地のもともとの成り立ちなどが影響しているのではないかと言われています。 -
古代米を使った甘酒
- 塚本郷産の古代米・黒米を使った発酵甘酒「玄美滴-黒-」。
塚本郷で育てた黒米と麹だけで作った甘酒は、「甘酒が苦手」という方を虜にするほど、美味しいと評判です。
その味は「まるで飲むおはぎのよう」という表現がピッタリ。
米麹から作っているのでアルコール分0パーセント、お子さまでも安心してお飲みいただけます。
毛呂山町の麻原酒造さまに委託して製造しています。
770gの瓶入りを、お届けします。 -
塚本郷を体験する
- 塚本郷を知り、魅力を知ってもらうために、様々なイベントを企画しました。
・野焼き見学ツアー
・収穫祭
・正月飾りづくり
・田植え体験
すべてのイベントには塚本郷ミニガイドツアーを予定しています。 -
最後に
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1200年続いた風景を、次の100年へ
- 私たちは、1200年前の人たちが、この風景を未来に残そうと考えていたかどうかを知ることはできません。
けれど、その時代、その時代の人々が田んぼを耕し、水を守り、土地を受け継いできたからこそ、私たちは今、この風景を見ることができます。
今度は、私たちの番です。
田んぼを守る。
水を守る。
生きものを守る。
歴史を守る。
文化を守る。
そして、この場所を知ってくれる人を増やす。
この場所を好きな人、応援する人、携わる人を増やす。
1200年以上続いてきた塚本郷を、次の100年へ。
その一歩を、皆さんと一緒に踏み出したいと思っています。 -
現地へのアクセス
- 自家用車:
大宮駅より車で約18分。
新宿より首都高速利用、約30分。
路線バス:
○南部地域
浦和駅より国際興業バス・大久保浄水場行き、中島バス停にて下車、徒歩20分。 -
応援メッセージを頂きました
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流郷綾乃様 (スパイスファクトリー株式会社 取締役CSO)
- 田んぼに立つと、時間の単位が変わります。
四半期でも年度でもなく、1200年。
奈良時代から誰かが水を引き、苗を植え、次の世代へ手渡してきた時間の上に、今の私たちは立たせていただいています。
スパイスファクトリーは塚本郷で田んぼオーナーとして関わらせていただき、社員や関係者の方や子どもたちとともに、この土地の豊かさと、それを支える方々の苦労の両方に少しだけ触れてきました。
ポンプ一台が止まれば、田んぼも、生きものも、受け継がれてきた思いも知恵も止まってしまいます。
このプロジェクトは、設備の更新であると同時に「この場所を自分ごとにする人」を増やす挑戦だと受け止めています。
微力ながら、ともに次の1200年へ -
清水雄一郎様(日栄交通株式会社 常務取締役)
- さいたま市にある1200年続く里山。
正直つい最近までそこに携わって歴史を紡いでる方達がいることも知りませんでした。
食だけでなく地域の歴史も大切に守っていくことが私たち一人一人の役目なのかもしれません。
応援しています! -
酒井 伸子様(アーバンデザインセンター大宮[UDCO] デザインコーディネーター)
- 都市の利便性と豊かな農が共存していることがさいたま市の魅力です。
UDCOは、大宮駅周辺のまちづくりを推進する団体です。「マチミチミーツ」というまちの交流会の企画で、南部揚水組合のメンバーである塚本郷~Re農vationプロジェクトの安部さんに塚本郷についてお話しいただき、感銘を受けたことから、塚本郷に公私共に関わらせていただいています。
失ってしまったら、取り戻すことの出来ない「農の原風景」。
塚本郷は1200年以上の歴史をもち、心揺さぶられる美しい風景があります。この風景を後世へ引き継ぐ動きを、共に進めていけたらと思います。
プライベートでも子どもと田んぼ体験に参加するなど、この地で豊かな時間を過ごさせていただいています。支援をした後は、ぜひ実際に塚本郷を訪れ、その魅力を肌で感じてみてください!
この挑戦を、心から応援しています。






